探査技術

当社は、国内で初めて商業用Magnetotelluric(地磁気地電流) 法調査を導入・実施した会社です。最近は、水深5000mを超える深海底でのMT法調査も実施しています。

数mから数10kmまで、目的に応じた深度の地下構造の物性変化を電磁波(MT法・CSAMT法・TEM法等)や弾性波(反射法地震探査・VSP・坑間トモグラフィ等)などの物理探査を利用して、地表や坑内から探査します。

当社では、電磁法の2次元・3次元解析技術を有しており、以下のような様々な調査目的に応じた探査サービス(調査・データ処理・解析等)を提供しています。

  • 深さ数m~数10mの地下水・環境探査
  • 深さ1km程度の温泉調査・金属鉱床探鉱
  • 深さ数kmの地熱・石油探鉱
  • 深さ10kmを超える科学調査、海洋底の調査まで
探査技術

1. 電磁探査法(MT法)

電磁探査法(MT法)は地磁気地電流法(マグネットテルリック法)と言われ、自然界に存在する電磁波を使って地下の比抵抗(地層の電気抵抗)の分布を調査する方法で、地熱調査で最も利用される物理探査手法の一つです。当社は、国内で初めて商業用のMT法調査を導入・実施し、これまで地熱を中心に、温泉、石油、放射性廃棄物地層処分研究などの各分野での数多くの調査実績を有しています。

MT法は太陽や雷などの自然に発生した電磁波(様々な周波数の電磁波が含まれる)を利用します。電磁波が地層に入ると、地層に微弱な電流が流れます。高い周波数の電磁波は浅部まで、低い周波数の電磁波は深部まで到達するので、これらの信号(電磁波、電流)を測定し、解析することで地下の比抵抗構造を浅部(数10m)から深部(10km以上)まで把握する事ができます。

当社では国内外で最も利用されているMT法装置の一つである、メトロニクス社(ドイツ)の製品を使用しており、同社製品の国内代理店も行っています。

1. 電磁探査法(MT法)
1. 電磁探査法(MT法)

2. 浅層用電磁探査法(TEM法)

当社では深度50-100m程度の浅層を対象とした電磁探査として、時間領域電磁探査法(TEM法)による調査サービスを行っています。

地表に敷設した電線のループに電流を流し、これを急に遮断すると、地層中に2次誘導磁場が発生します。この2次誘導磁場の大きさは地下の比抵抗構造によって異なるため、同磁場の過渡現象を測定して解析することで、地下の比抵抗構造を知ることができます。調査ではAEMR社のTEM-FAST48を用いています。同システムによる調査では以下の利点があります。

  • 一つのループで送信/受信を兼ねる(コインシデントループ)ため、作業能率が高い。
  • 電極を必要としないため、砂地、コンクリート、アスファルト上でも簡単に設置/測定可能。
  • 軽量なシステムなので少人数で迅速かつ簡単に調査が可能。
  • 磁場のみの測定のため地形や表層等の不均質性の影響が少ない。
  • 低比抵抗体に対し感度が高く、温泉、水脈、鉱体、断層や破砕体等の調査に効果的。
2. 浅層用電磁探査法(TEM法)
2. 浅層用電磁探査法(TEM法)

3. 浅海域電磁探査

当社では水深300mまでの比較的浅い沿岸域の海底や湖の湖底における調査を目的とした浅海用電磁探査装置を開発しています。これにより、陸から沿岸域、或いは湖沼域をシームレスに調査する事が可能となりました。

測定原理は陸上で行うMT法と同じですが、浅海用電磁探査装置は磁場センサー、電場センサー(電極)およびデータ記録装置が一体化した装置となります。水深100m程度までの浅海域では、波の影響で海底に設置した電磁探査装置が揺動しますが、この揺動は測定データのノイズ源となります。このため、装置の高さを極力低くした低床型の電磁探査装置を開発しました。

調査は、小型の漁船などで調査位置まで移動し、海洋電磁装置を海中(湖中)に投下します。装置にはロープとブイ(浮き)が付いており、数日間程度の測定が終わった後に再び調査位置まで向かい、ブイを探して装置を引き揚げデータを回収します。

これまで、同装置を用いた水深300m程度以浅の海域や湖底における調査を実施し、地表のMT法データと併せた解析(2次元解析、3次元解析)が行われております。

3. 浅海域電磁探査
3. 浅海域電磁探査
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