掘削技術

当社では、SDI (Scientific Drilling International)社の傾斜掘削技術を国内の地熱、石油ガス、地震防災及び学術ボーリングの分野に導入しています。MWDとしてはEM方式及びマッドパルス方式の両MWDを提供しています。

EM方式は、信号伝送が高速なことに加え、逸水中の掘削や坑井や空気混合掘削でも適用可能なので多くの地熱井掘削において使用されています。マッドパルス方式は、主に大深度や地層の比抵抗が低くEM方式MWDの適用が難しい場合に使用されています。LWDとしては、従来の比抵抗、ガンマ線に加え、音波による画像取得も可能となっています。

掘削用Mud Motorとしては、20年以上の使用実績を誇る信頼性の高いTITAN2を使用しています。その他Gyroを使用した孔芯測定、坑井の衝突回避又はリリーフ井掘削の為のレンジングサービス、坑跡計画、各種ハイドロリスク計算、トルク・ドラック計算等のエンジニアリングサービスを提供しています。

掘削技術

1.MWD (Measurement While Drilling)

当社では、平成13年(2001年)SDI社よりEM式 MWDを導入し大分県の地熱井で使用したのを始めとし、以来数多くのMWDを使用した傾斜掘削サービスを提供しています。適用分野としては、地熱井掘削以外でも石油・ガス井の掘削、地震観測井の掘削、学術ボーリングの掘削においてもご利用いただいています。

MWDとしてはEM方式(Falcon EM MWD)及びマッドパルス方式(Falcon Fire MP)の両MWDを提供しています。EM方式は、信号伝送が高速なことに加え、逸水中の掘削や坑井や空気混合掘削でも適用可能なので多くの地熱井掘削において使用されています。マッドパルス(MP)方式は、主に大深度や地層の比抵抗が低くEM方式MWDの適用が難しい場合に使用されています。

【Falcon EM MWD】

Falcon EM MWDはSDI社の新世代EM MWDです。従来より高速で高い信頼性を有するMWDです。

【Falcon EM MWD】

【Falcon Fire MP】

Falcon Fire MWDはSDI社の177℃耐熱の新世代マッドパルス(MP)式MWDです。

【Falcon Fire MP】
MWD (Measurement While Drilling)

2.LWD (Logging While Drilling)

LWDは、掘削を継続しながら地層情報を取得するための装置です。SDI社のLWDとしては、従来の比抵抗(Resistivity)やガンマ線(Gamma)LWDに加え、新たに超音波による坑壁イメージの取得が可能なULTが加わりました。

従来の検層器では測定が難しい、高傾斜、大偏距の坑井での適用が可能です。LWD装置のラインナップは以下の通りです。

1)Azi-GAIN

  • 方向性(指向性)又は全方位のガンマ線を測定
1)Azi-GAIN

2) Bit Sub

  • ビット直上に接続するLWD
  • 方向性(指向性)を有するガンマ線(高分解能イメージ)及び傾斜を測定
  • 信号は一旦ビットサブよりMWDへEM送信され,その後MWDのEM若しくはMPを用いて地上まで信号を伝送(高分解能イメージはメモリに蓄積)
2) Bit Sub

3) WPR (Wave Propagation Resistivity)

  • 電磁波(2MHz及び400kHz)を用いて比抵抗を測定
3) WPR (Wave Propagation Resistivity)

4) PWD (Pressure While Drilling)

  • アニュラス及びドリルパイプ内の圧力を測定
  • 掘進中のアニュラスの圧力(ECD)監視により坑内状況を把握
4) PWD (Pressure While Drilling)

5) ULT (Unconventional Logging Tool)

  • 方向性(指向性)を有するスペクトルガンマ線を高精度で測定
    32セクターでガンマ線イメージ取得
    カリウム(K),ウラン(U)及びトリウム(Th)を検知
  • 超音波イメージ
    3軸方向(縦,横,ねじれ)の振動
    高分解能のイメージ取得
    キャリパー
  • 方向性(指向性)を有する音波
    縦波(DTc)及び横波(DTs)測定
5) ULT (Unconventional Logging Tool)

3.Drilling Motor(TITAN 2)

Drilling Motor(TITAN 2)は、20年以上の使用実績を誇る信頼性の高いDrilling Motorです。頑丈な設計で高温の地熱井でも数多く使用されています。

3.Drilling Motor(TITAN 2)
TITAN2の仕様

4.孔芯測定技術(Keeper Gyro)

孔芯測定技術(Keeper Gyro)は、坑井の方位・傾斜を測定する際、ケーシング内、チュービング内およびドリルパイプ内等のように、金属の存在により磁気コンパスを使用した測定器が適用できない場合でも、正確に方位、傾斜の測定が可能です。

孔芯測定技術としては、SDI社のKEEPER Gyro Systemを国内の地熱井、石油・ガス井及び地震観測井などに提供しています。また、本ツールはGyro MWDのセンサーとしても使用しています。

用途に応じて以下のような使い分けを行います。

  • WIRELINE KEEPER :検層ケーブルを使用。リアルタイムでデータ監視可能)
  • MEMORY KEEPER ADK:スリックラインを使用若しくは投げ込みで使用。データは一旦メモリに蓄える
  • SIGHTLINE KEEPER :オフショアリグなど揺動のあるある場所で使用
4.孔芯測定技術(Keeper Gyro)
4.孔芯測定技術(Keeper Gyro)

5.レンジングサービス

レンジング技術は、掘削中の坑井が既存の坑井と衝突することを回避するため、また、リリーフ井を掘削する際に、掘削中の坑井と対象となる既存坑井までの地下における距離及び方向を測定するものです。当社では、地熱井のリリーフ井掘削及び古い石油廃坑井の位置検知の為にレンジングサービスを提供した実績があります。

SDI社では、以下の技術を提供しています。

  • Passive Ranging (Mag Trac):設置済みのケーシングより発生する磁場を観測
  • Active Ranging(Lodestone):人口信号源を使用
5.レンジングサービス
5.レンジングサービス
5.レンジングサービス
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